人間は本当に曖昧な生き物で、同じ言動でも置かれている状況や心情によって、線引きの位置が変わる。
この事象について最も解りやすいのは、トロッコ問題。
この問題の答えを考えたとき、私の言っていることが分かる。
だけど、実はみんな頭では、ちゃんと分かっているんだよね。
ただ、自分が当事者になったとき・・・
国内初の内密出産へ 10代母親の名前記さず出生届、慈恵病院が方針 2/4(金)
命は大切。
我が子の幸せを願う母の気持ち。
父母が空欄の戸籍を持つ子供の気持ち。
出産した母の言動。
日本人の人口が減少している。 などなど・・・
たくさんの思考があり、人によって思考に対する答えも違う。
命は大切だし、10代で母となった人間にも、この世界で幸せに生きる権利はあると思う。
だが、今の社会は人間関係が希薄で、全体的に他人に対するコミュニケーション能力が低下している。だから、尚のこと、「血縁家族」という繋がりを重視する傾向にある。
そんな社会の中で、父母が空欄の戸籍を持つこの子供は、どんな大人になるのか?
この子供が一般的に言う善良な人間となるよう、暖かく迎え入れ成長させることが今の日本社会に出来るのか?
このような子供をこの世界に送り出し、10代で育児放棄した人間を受け入れることが出来るのか?
そもそも、このような人間を社会は許さないから、「匿名出産」ということが行われるのではないのか?
そして、「命は大切」ということを盾に、この匿名出産が悪用されることはないのか?
今の日本人の精神性の低さが、この事象を起こしたのではないかと感じてる(^-^;
精神性が高ければ、この事象がそもそも問題にならない。
これは、命がどうとか、10代の母がどうとか、匿名出産の是非などを問うことはない、ということ。
この事象が起こったこと自体の是非を問うものではない。
上手く説明できないけど、誰か分かってくれる人いるかな?(笑)
本当の優しさとは何か?
以前、金融機関で働いていたとき、上司が言ったこと。
「経済的に苦しい人に金を貸すことが、正しいことか?本当の優しさなのか?分からない。貸さない優しさもあると思っている。」
普段、ふざけた感じで少し突っつき難い雰囲気の人だったが、「貸さない優しさ」という言葉が、私の心に残った。
この優しさを貫くには、知恵と精神的な強さが必要だと思う。
今の私が願うことは、この10代の母、不明の父、そして生まれた人間、この3人に関わる全ての人たち・・・に、平穏が訪れますように。
人生の意味というものは、他の人の人生をどれだけ美しく豊かなものに出来たかによって決まる。
アルベルト・アインシュタイン
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